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  [ブランド名]
アンドリュー・ゲン(Andrew Gn)

[解説]
 日本ではまだあまり知られていませんが、パリ・コレクションでは近年、注目度が年々、上昇している新進ブランドです。手の込んだ仕立てや大胆な刺繍、リッチな素材選びといった点でクチュール的要素が強く、こだわりのハンドクラフト感が際立っています。

 シンガポール生まれで中国系のアンドリュー・ゲン(Andrew Gn)氏はロンドン、ニューヨーク、ミラノの名門ファッションスクールで研究を重ねた「超インテリデザイナー」。その学識がデザインにも発揮されています。セクシーでいてシック、ガーリーでいながら重厚というマルチコンセプトの構成には、彼のファッション史に関する教養の深さがにじみ出ているようです。

 2004年春夏コレクションではミニスカートに刺繍やレースで大ぶりの花をあしらったフラワーデザインを大展開。裾に大きな花弁をレースで配し、太ももを透けさせるなどのしゅこうも見せてくれました。2004―2005年秋冬ではカシミアのツイードコートの袖やポケット周りにファーをあしらうゴージャスなラインを披露。そうかと思えば、2005年春夏は1930年代へのノスタルジーを感じさせる復古調の作品を出すなど、そのイマジネーションの泉はまるで年ごとに新たな水脈を掘り当てているかのようです。

 「アンドリュー・ゲン」のキーアイテムと言えそうなのがミニスカート。近年のコレクションでは定番化しつつあります。前身頃にフリルをあしらったブラウスや、ふわっとしたパフスリーブなど、ラブリーな少女性がのぞくのも、特徴と言えるでしょう。

 中国や日本などの東洋的なモチーフ、中央アジアまで視野に入れたアジア民俗調のデザインは、中国、日本に家系上のルーツを持ち、欧州とニューヨークでファッションを学んだ彼らしいところです。花を使ったワンピースでもバラやスズランのほかに、中国で「花の王」と呼ばれる牡丹をモチーフに使っていました。

 日本ではまだ知名度が低いと言いましたが、意外なところで日本と縁があります。2003年に22年ぶりに再結成したピンク・レディーの衣装を作っていたのです。ツアー宣伝用のポスターで2人が着ている衣装はゲン氏がわざわざ作り起こしたそうです。ゲン氏は幼い頃、日本に住んでいて、ピンク・レディーのファンだったという話が伝わっています。ケイちゃんこと増田恵子さんは実際、パリコレクションでゲン氏のショーを見ていたのが確認されています。

 色彩はきわめてバリエーションに富んでいます。ただ、2004―2005年秋冬では黒を、2005年春夏では白を多用していました。

 カシミアやシルク、ファーなどのぜいたくなマテリアルを好んで用います。ハンドメードのぜいたくな仕上げのブランドであり、おそらくは本人の戦略もあってか、大がかりな店舗展開は避けています。入手できる場所は、ラグジュアリーなセレクトショップに限られていると言ってよいでしょう。

 「アジアとヨーロピアンの融合」というのは、アジア系デザイナーが欧州でコレクションを開くと、決まり文句のように使われてきた表現ですが、ゲン氏は、中国磁器やアンティークの有名コレクターだったという両親の影響もあってか、異文化フュージョンを実現している数少ないデザイナーでしょう。

●ブランドデータ


[本国]
デザイナーはパリを本拠地として活動している


[経営・日本での展開]
 日本法人はない。セレクトショップで手に入るが、置いている店はまだ少ない。

[歴史]

 アンドリュー・ゲン(Andrew Gn)氏は1966年 シンガポールで生まれた。一説には祖母は日本人だという。両親は中国磁器やアンティークのコレクターとして有名で、比較的恵まれた環境の家庭に育った。幼いころから東西の文化、アートに触れ、上質なデザインとは何かを肌で感じながら育ったようだ。

 ゲン氏は飛び抜けた「ファッションエリート」だ。まず、ジョン・ガリアーノ氏やアレキサンダー・マックイーン氏、ステラ・マッカートニー氏らを輩出した、ロンドンを代表する名門ファッションスクールのセントラル・セント・マーティンズ校に入った。在学中には英国のすべてのファッションスクールで学ぶ学生が参加するコンテストで最優秀に選ばれたという伝説が残っている。単にエリート校で学んだというだけではなく、エリートたちの中でも抜群の頭脳と才能を認められていたようだ。

 続いて、ニューヨークのパーソンズ・スクール・オブ・デザインに留学。パーソンズは米国最高のファッションスクールで、卒業生にはトム・フォード氏、マーク・ジェイコブス氏、アナ・スイ氏らがいる。さらに飽きたらぬゲン氏はミラノのドムス・アカデミーへ。当時の教授陣にはロメオ・ジリ氏、ジャン・フランコ・フェレ氏らが名を連ねていた。

 ゲン氏は結局、合計で約6年間にわたってファッションを勉強したことになる。しかもすべて世界最高レベルの学校で。どれほどの教育資金がかかったは定かではないが、実家はかなり裕福だったようだ。3都市で学んだゲン氏がその後、活動の拠点にパリを選んだのは、「制覇」していない唯一のファッション都市だったからなのだろうか。

 ファッション界での実質的なデビューは、パリで「エマニュエル・ウンガロ」のアシスタントを務めてからだ。96年ごろに自らのブランド「アンドリュー・ゲン」を設立したとされるが、もっと早かったという説もある。一時、ピエール・バルマン(Pierre Balmain)氏が興したフランスの老舗ブランド「バルマン(Balmain)」でデザイナーに起用されたが、ショーでの評価が低く、失意のうちに「バルマン」を去ったという話もある。

 2004年に日本で開催された、中央アジアの民族衣装と、それに影響を受けたデザイナーの作品を集めた展覧会「シルクロードの装い展」に、ジョン・ガリアーノ氏らと並んで、ゲン氏の作品が出品された。中国経済の急成長に象徴される「アジアの時代」にあって、英語、フランス語、イタリア語、中国語を操るゲン氏はファッション界の新しいイコンとなる可能性を秘めている。

[現在のデザイナー]
アンドリュー・ゲン氏


[キーワード]
ハンドクラフト、刺繍、ロマンチック、アジアフォークロア


[魅力、特徴]
 手作りの高級品だというのが、一目で分かります。少量生産である上に取り扱い店が限られていて、きわめて希少価値が高い。インターナショナルなパーティーなどの席で使えそうです。


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